浴衣や着物を着るときに左右どっちが上かわからなかったり、着方の説明を見て「右前ってどういうこと?前に出るっていうこと?」と悩んだりする人は多いようです。
そこで浴衣の襟合わせの順番や忘れない覚え方、男女で違いがあるのかどうかについて次のようにまとめて解説します。
▼この記事に書いていること
襟合わせの注意点も紹介するのでうっかりミスや勘違いをしないように、記事を参考にして正しく浴衣を着てくださいね。
浴衣はどっちが上(前)?襟の合わせ方
引用元:pixabay
浴衣の襟は「右前」で「左手側が上」になるように合わせます。
「前」と「上」という言葉に惑わされる人が多いですが、意味を知ると納得できるはずですよ。
詳しい言葉の意味やどっちが上かを忘れにくい覚え方を解説します。
浴衣の襟は『右前』が正解
浴衣に限らず着物の襟は「右前」になるように着てください。
「前」は「前側にある」という意味ではないので、着た時の襟合わせは右側が下・左側が上に重なるのが正解です。
どっちが上かすぐにわかる覚え方
襟のどっちが上かの覚え方でわかりやすいのは次の2つです。
- 胸元に右手が入るかどうか
- 正面から見てアルファベット小文字の「y」になっているかどうか
たとえばお茶席では着物の合わせ(ふところ)に懐紙を差し込みますが、右側が上になっていると入らないはずです。
左利きの人もいますが日本人には右利きが多いので「右手が入るように」と覚えておきましょう。
見た目でわかりやすいのは、正面から見て胸元がアルファベットの「y」になっているかどうかです。
イメージしたり誰かに見てもらったりして確認しましょう。
浴衣の左前はなぜだめなの?
引用元:Pexels
浴衣の合わせを逆にして左前(右が上)にするのは、次のような理由からNGとされています。
逆にすると大変な恥をかく恐れがあるので、よく理解しておきましょう。
①死装束を意味するから
着物を左前にするのは亡くなった人に着せる死装束の作法なので、浴衣を逆に着ると非常に縁起が悪い状態になります。
死装束を左前にするのは「生前のこの世と死後のあの世は真逆の世界だから」という考えからです。
浴衣が活躍するお祭りや旅先のような楽しいシーンや、着物を着る機会が多いフォーマルな場面で死装束の状態になっていると、恥をかくばかりか相手を困らせる恐れもあります。
絶対に間違えないように注意しましょう。
②右前を前提に作られているから
浴衣は右前で着ることを前提に作られているので、逆にすると柄が見えなくなる場合があります。
総柄の浴衣はわかりにくいかもしれませんが、無地にモチーフが描かれた着物の場合上側になる左見ごろに柄が多く、右身ごろは肩あたりに小さくある程度となっているはずですよ。
もし浴衣を合わせたときにせっかくの模様が隠れてしまうようなら、間違っているので直してください。
浴衣は女と男でどっちが上(前)?着方は違う?
引用元:Pexels
洋服は男女で合わせが逆ですが、和服の場合どっちが上か性別による差はありません。
男性用・女性用どちらの浴衣も右前になるように仕立てられているので、右を下に・左を上に着てください。
浴衣の襟合わせの注意点
引用元:Pexels
浴衣を着るとき、うっかりミスを防ぐために次の2点に注意しなければなりません。
自分が着るときはもちろん、友人に間違った指摘をしないように理解しておきましょう。
スマホの自撮り写真は反転する
スマホの自撮り写真は反転すると理解したうえでInstagramのようなSNSの投稿写真を見なければ、勘違いが起こる恐れがあります。
- SNS投稿を参考にして着ると左右反対になる
- 写真を見て左右逆だと指摘すると相手を惑わせる・恥をかく
SNSに投稿されている写真を参考にして同じ見た目になるように着付けると、間違った左前の状態になる恐れがあります。
また写真を見てよかれと左右逆を指摘すると、実際には正しく着ているので余計なお世話になりかねません。
自撮り写真は反転し、右前が左前に見えることを理解しておきましょう。
襦袢も右前にする
襦袢は襟元から見せるように着付けるので、着物と同様に右前になるように着なければなりません。
バレない、気にならないと思うかもしれませんが、意外と目立つので気を付けましょう。
浴衣を肌着の上に直接着る場合は心配ありませんが、襦袢と重ねる時は注意してください。
まとめ
浴衣の襟合わせのマナーについて解説してきました。
- 襟は「右前」で「左側が上」が正しい
- 「右前」とは右側を先に着るということ
- 「左前」は死装束の作法なので絶対に間違えてはいけない
- 男女ともに着物の合わせ方は「右前」が正しい
- スマホの自撮り写真は左右が反転することを覚えておく
着物の着方を間違えるとマナーや常識を知らないと思われるので、必ず「右前」になるように注意しましょう。
どっちが上かわからなくなったときは、右手が差し込めるかどうかや正面から見て「y」の字になっているかを確認してくださいね。
洋服とは違い男女で左右の違いがないので、「右前」のマナーだけを覚えておけば応用がききます。
正しい着付けで、浴衣を気軽に楽しみましょう。