留袖は、結婚式などの格式の高い場所で着用するため、着付けの準備はきちんとしておきたいですよね。
しかし着物の着付けにはさまざまなルールがあり、「草履や帯の他には何が必要?」「ピアスなどのアクセサリーはつけていいの?」と疑問や不安がある方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、留袖の着付け方法や必要な小物について詳しくご紹介していきます。
▼この記事に書いてること
留袖に合うバッグやマスクの選び方、長襦袢と半襟の付け方までご紹介するのでぜひ参考にしてください。
留袖の着付け・着方|自分でできる方法
留袖の着付けは、結婚式場や美容院などにお願いすることができますが、自宅で自分でできれば便利ですよね。
以下の動画では、留袖を自分で着る場合の着方を詳しく解説してくれています。
「自分で留袖を着てみたい」という方は、こちらの動画も参考にしながら着付けをしてみてください。
留袖は比翼仕立てになっているため、自分で着付ける際にはとくに襟元の比翼のバランスを取るのが難しいです。襟をきれいに整えるために、着付け用のクリップを用意しておくとよいでしょう。
▼自分で留袖を着る方法がわかりやすく紹介されています。
帯の結び方
留袖の帯は、「二重太鼓」という結び方で結ぶのが一般的です。
着物をきれいに着こなすために一番重要なポイントともいえる帯。
以下の動画では二重太鼓の結び方が詳しく丁寧に解説されていますので、自分で留袖の帯を結ぶという方はぜひ参考にしてみてください。
▼袋帯で二重太鼓を結ぶ方法が紹介されています。
留袖の小物|着付けに必要なものリスト
着物は洋服と違って、着付けの際にさまざまな小物が必要になります。
以下のリストを見ながら、留袖の着付けの際に必要なものを揃えてみてください。
それぞれの小物の選び方についてもご紹介するので、「何を選べばいいかわからない」という方はぜひ参考にしてくださいね。
肌着・和装ブラ
引用元:着物(きもの)・和服・反物の通販サイト いち利モール-スリップ『Bemberg(デシン)』_S~LO【衿秀】(MOサイズ): 肌着
肌着には、着物や長襦袢に汗がうつるのを防ぎ、体を冷やさないための保温の役割があります。
黒留袖の襟元は白色になるため、肌着も白いものを選ぶようにしましょう。
また、着物は洋服と違って体の凹凸が見えないほうがきれいに着こなすことができるため、留袖を着る際は装いに適した和装ブラの着用がおすすめです。
長襦袢・半衿(半襟)
引用元:着物屋くるり 公式通販サイトスタイリッシュな着物と帯のセレクトショップ-【衿秀】うそつき長襦袢…
長襦袢は着物に汗がうつるのを防ぎ、足さばきを良くしてくれる役割があります。
また半衿には襟元の汚れを防ぐ役割があり、長襦袢に縫い付けて着用します。
格式の高い留袖を着る場合、小物は基本的に白で統一するのがルールとなるため、長襦袢も半襟も白いものを用意するようにしましょう。
伊達締め・腰紐
引用元:こまものや七緒 オンラインショップ着物からはじまる暮らし-「大原商店」麻の伊達締め(1本)・腰紐(2本)セット
伊達締めと腰紐は、着崩れを防ぐためのベルトの役割をしています。
伊達締めは、長襦袢と着物にそれぞれ1本ずつ使用するため合計2本用意する必要があります。
また腰紐は、長襦袢と着物両方で補正するたびに使用するため必要な本数には個人差がありますが、大体3~5本程度用意しておくとよいでしょう。
帯・帯板・帯枕
引用元:こまものや七緒 オンラインショップ着物からはじまる暮らし-「大原商店」麻の伊達締め(1本)・腰紐(2本)セット
留袖には袋帯を合わせ、結び方は「二重太鼓」で結ぶのが一般的です。
また帯のかたちをきれいに保つためには、帯板と帯枕も必要になります。
留袖を着る場合、帯板は長めで幅の広めなもの、帯枕は大きくて厚みのあるものを選ぶとよいでしょう。
帯締め・帯揚げ
引用元:きものKYOETSU-(礼装帯揚げ4点セット 桐箱入) 留袖/礼装 帯揚げ帯〆セット福袋…
帯締めは帯の型崩れを防ぎ、アクセントになってくれる効果があります。
また帯揚げは帯枕を包み、帯の形をよりきれいに整えてくれる役割があります。
格式の高い場所で着用する留袖の帯締め・帯揚げには、基本的に白または白地に白・金・銀の縫い取りがされたもの、総絞りのものを選ぶようにしましょう。
白足袋・草履
引用元:草履 礼装用 S M L LLサイズ フリーサイズ 小さいサイズ 大きいサイズ ゴールド シルバー シャンパンゴールド 金 銀 日本製
留袖を着る際には、色付きや刺繍入りなどのカジュアルなものではなく必ず白足袋を合わせます。
草履は、台の高さ(靴でいう靴底の高さ)が高いほど格が高いとされているため、高さが5cm前後のものを選ぶとよいでしょう。
また色は金か銀が基調となったデザイン、素材は台と鼻緒部分が同じものを選ぶのが留袖には適しています。
扇子(末広)
引用元:京都きもの町-留袖、婚礼用末広 金銀婚礼、留袖用末広(扇子)【メール便不可】<R>
扇子(末広)は、留袖を着用する際に帯の左胸側に挿して使います。
末広がりになっている扇の形から「縁起が良い」とされ、留袖の着用シーンには必需品となっています。
基本的には骨部分が黒色、扇部分は金や銀の紙が貼られたものを選びましょう。
バッグ・サブバッグ
引用元:京都きもの町-【Prices down】礼装和装バッグ「ゴールド 吉祥雪輪重ね」…
留袖には、礼装用かつ着物と調和の取れたデザインのハンドバッグやクラッチバッグを合わせましょう。
「どんなバッグがよいかわからない」という方は、礼装用の草履とセットになったものを選ぶと安心です。
また、礼装用バッグだけでは荷物が入らないという場合は、フォーマルシーンに合うような上品な素材感のサブバッグを準備するとよいでしょう。
留袖にアクセサリーはつけていいの?
留袖には、基本的にネックレスやブレスレット、ピアスやイヤリングなどのアクセサリーはつけません。
また結婚式などの場で「時間を気にしている」と思われてはならないため、腕時計も外しておきましょう。
他にも、着物にアクセントをつけてくれる帯留も留袖の装いの場合にはつけません。
ピアス・イヤリング・指輪はNG?
留袖を着る際に、すべてのピアス・イヤリング・指輪がNGというわけではありません。
結婚式など格式の高い場所に着ていく留袖には、基本的にピアスやイヤリングはつけませんが、どうしてもつけたい場合は小ぶりで揺れない耳に沿うものを選びましょう。
揺れるピアスは、「心が不安定に揺れる」という連想から縁起が悪いとされているため注意しましょう。
指輪に関してはファッションリングはNGですが、結婚指輪や婚約指輪はつけて大丈夫です。
しかし、装飾や凹凸のあるデザインの場合は着物を傷つけてしまう可能性があるので外しておくのが無難でしょう。
留袖に合うマスクは?
最近では日常的にマスクをつけることが増えたため、留袖を着る際にもマスクを着用しなければならないこともあるでしょう。
しかし格式の高い留袖を着た際には、どんなマスクをつければよいのか迷ってしまいますよね。
留袖に合わせてマスクを選ぶ際は、以下のポイントに注意してみましょう。
- 感染症予防できる機能を備えたものを選ぶ
- 奇抜な色や柄は避ける
- 黒色は避ける
マスクをつける本来の意味である、「感染症予防対策」の機能を果たすものを選ぶことは第一優先です。
その上で、礼装に相応しい色や柄のマスクを選ぶとよいでしょう。
奇抜な色や柄、黒色のマスクは避けて、落ち着いた色・柄、シルクなどの上品な素材を選ぶのがおすすめです。
【Q&A】留袖の着付けのよくある質問
留袖の着付けについてよくある質問を以下にまとめました。
洋服と違って着方が複雑で細かなルールも多い着物。わからない点はしっかり解消しておきましょう。
長襦袢の半襟の付け方は?
襟元の汚れを防ぐ役割のある半襟は、自分で長襦袢につける必要があります。
以下の動画では、長襦袢と半襟の付け方を初心者の方にも分かりやすいよう丁寧に解説してくれていますので、ぜひ参考にしながら半襟着けをおこなってみてください。
▼長襦袢と半襟の縫い付け方の動画です。
また、基本的に長襦袢と半襟は動画でもあったように針と糸を使用して縫い合わせますが、半襟用の両面テープを使えば”縫う作業”をしなくても半襟つけをすることができます。
半襟用両面テープは主に、手芸店やホームセンター、ネット通販などで売っているので、「裁縫が苦手」という方はこちらを試してみるのもよいでしょう。
比翼の縫い方は?
比翼とは、比翼地という生地を留袖の裏側(袖口、振り、襟、裾回し部分)に縫い付け、長襦袢と着物の間にもう一枚重ね着をしているように見せる仕立て方法のことです。
現在売られている留袖のほとんどは、比翼が施された「比翼仕立て」になっていますが、昔の着物は比翼仕立てにはなっていません。
そのため、もし比翼の付いていない留袖を比翼仕立てにしたい場合は、着物のお直しやケアをおこなっている専門店に相談してみましょう。
専門店での比翼付けには1~2ヶ月程度の時間を要することがあるため、希望する場合は前もって調べておくようにしましょう。
留袖は太っている人も着れる?サイズの選び方
留袖は、ふくよかな体型の人でももちろん着ることができます。
また着物のサイズを選ぶ際には、以下の3点をポイントにみてみるとよいでしょう。
- 身丈:身長±5cm以内を選ぶ
- 身幅:体型に合わせて選ぶ
- 裄丈:袖口の長さが手首の関節あたりまでのものを選ぶ
とくに、ふくよかな体型の方はヒップサイズに合わせて大きめの身幅のものを選ぶようにしましょう。
着物のサイズは丈や幅、袖の長さなど、合わせなければいけない箇所がたくさんあるので、着物店などで一度羽織ってみるのが確実ですね。