卒業式の際には、生徒はもちろんのこと学校の先生も袴を着ようと考えている方が多いかと思います。
しかし、最近では日常的に着物や袴を着ることも少ないため「卒業式の袴にタブーはあるの?」「卒業式に振袖を着るのはおかしいのかな…」「必要なものは?」と不安も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、卒業式で袴を着るときのタブーやマナーについて詳しく解説していきます。
▼この記事に書いてること
袴の着付けを自分でする方法や袴に合わせる着物の選び方、卒業式の袴を安く済ませる方法などについてもご紹介します。
卒業式の袴でタブーなことは何かある?
卒業式での袴の着こなしに厳密な決まりやルールはないため、基本的にタブーはないと言えるでしょう。
しかし、学校によっては袴の色やデザインに制限がある場合があるようです。
そのため、学校の規定がないか着物や袴を決める前に必ず確認しておくようにしましょう。
また、卒業式で恥ずかしい思いをしないように正しい和装の着こなしやマナーもしっかり身につけておくことが重要です。
卒業式当日は余裕をもって楽しむことができるよう、不安点はしっかり事前に解消しておいてくださいね。
トイレの仕方はどうする?
袴を着用しているときにトイレに行く場合は、以下の手順を参考にして着物が汚れないように気を付けましょう。
- 着物の袖を帯の間に挟む(クリップで挟む)
- 袴の前側の裾を捲し上げて、帯の間に挟む
- 後ろ側とサイドの袴、着物を捲し上げて抱えるようにする
- トイレが済んだら、着物と袴の裾を丁寧に戻す
まず、着物の袖が汚れてしまわないように袖は帯と袴の間に挟んでおくかクリップを持っている場合は止めておくようにしましょう。
袖を上げることができたら、次は袴の前裾を捲し上げて袖と同じように帯の間に挟みます。
そして、後ろ側とサイドの袴・着物を一緒に捲し上げて前で抱えるようにして完了です。
最後トイレが済んだら、着物と袴にシワがよってしまわないように丁寧に裾を戻しましょう。
手を洗うときにも袖が濡れてしまう可能性があるので、袖をもとに戻すのはお手洗いを出る直前で大丈夫です。
電車移動は大変?
着物を着ることにあまり慣れていない方の場合は袴や草履は歩きにくく、満員電車に乗り合わせてしまうと大変さを感じてしまうかと思います。
そのため、袴の着付けは会場からなるべく近い場所でおこなったり、会場に着付け場が設けられている場合は利用したりするのがおすすめです。
また、友人と一緒に会場に向かう場合は何人かでタクシーに乗合していくのもよいでしょう。
卒業式の袴に合わせる着物に決まりはある?
袴に合わせる着物には基本的にルールや決まりはなく、好きな着物を選んで大丈夫です。
袴に合わせる着物としては、主に以下のようなものがあります。
- 二尺袖着物(小振袖)
- 振袖
- 訪問着
- 小紋
袴に合わせて着物も一緒にレンタルしたり、手持ちの着物や成人式で着用した振袖を合わせたりする方も多くいます。
先生が卒業式に袴を着るうえでのタブーとは?
卒業式で先生が袴を着る場合には、以下のようなタブーがあります。
- 派手すぎる色柄の着物や袴
- 華美なメイクや髪飾り
卒業式はあくまでも卒業していく生徒たちが主役の場であるため、学校の先生という立場として目立ちすぎる派手な色柄の着物や刺繍の入った袴などは避けるようにしましょう。
また、メイクは清潔感のある落ち着いたもの、ヘアスタイルはシンプルなまとめ髪に控えめなかんざしやバレッタを合わせるのがおすすめです。
卒業式の袴着付けは自分でできる?
着物を普段から着ている人や着付けに慣れている人の場合は、袴の履き方だけ覚えてしまえば比較的簡単に袴の着付けを自分ですることができるでしょう。
しかし、自分で着物を着た経験がない方の場合は少し難しいかもしれません。
そのため、卒業式で袴を着る際は美容院や着付け会場で着付けをしてもらうというのが一般的です。
しかし、どうしても卒業式で自分で袴の着付けをしたいという場合は、以下の動画を参考にして当日をむかえるまでに何度か練習してみるとよいでしょう。
▼長襦袢と着物の着方、帯の締め方、袴の履き方まですべてをマスターできる動画です。
卒業式の袴を安く済ませる方法とは?
卒業式で袴を着る際にできるだけ安く済ませるためには、以下のような方法があります。
- ネットレンタル
- 自宅にある着物を着用する
- 大学生協を利用する
ネットレンタルには、安いものであれば1万円程度でフルセットがレンタルできるプランも多いです。
また、自宅に着物がある場合は袴のみレンタルすればよいので着物のレンタル代を抑えることができます。
袴のみの場合、ネットレンタルであれば数千円でレンタルできるところもあるのでフルセットをレンタルするよりも安く済ませることができるでしょう。
他にも大学生の方の場合は、大学生協でレンタルするのもおすすめです。お得にレンタルできるだけでなく、卒業式当日の会場着付けなどさまざまなサービスや特典がついている場合もあります。
卒業式に振袖を着ることはおかしいの?
卒業式では着物に袴を合わせるのが一般的ですが、振袖のみの着用でもおかしいということはありません。
なぜなら、振袖は未婚女性の第一礼装の着物であるからです。
卒業式はフォーマルな服装で出席することがマナーであるため、礼装である振袖は相応しい装いと言えます。
しかし、学校の先生の場合は華美な振袖の着用は避けたほうがよいでしょう。
袴以外(袴を着ない)という選択もOK?
卒業式では必ず袴を着なければならないというルールはないため、もちろん袴以外のものを着ても大丈夫です。
小学生の場合は、フォーマルなワンピースなどが卒業式にぴったりでしょう。
また、専門学生や大学生などの場合は入学式や就活で着用するような通常のスーツで大丈夫です。
黒や紺のスーツ以外にも、春らしい桜色やパステルグリーンなどのスーツを着ていくのもよいでしょう。
卒業式の袴に関するよくある質問
卒業式の直前には入試や入学・就職の準備などバタバタしてしまうことも多いかと思います。
そのため、卒業式で袴を着る場合は余裕をもって準備を進めておきたいですよね。
そこでここでは、卒業式の袴に関するよくある質問をまとめて解説していきます。
「卒業式に持っていっててよかった」となるような持ち物や袴の予約について詳しくご紹介していきます。
必要なもの(持ち物)は?
卒業式で袴を着る際は、式での必需品に加えて着物用のクリップを持っておくのがおすすめです。
袴を着てお手洗いに行くと袖や裾に汚れがつかないか気を配るのが大変ですが、着物クリップを持っておけば袖を簡単に捲り上げておくことができます。
また、着物用のクリップがない場合は洗濯バサミでも代用可能です。ただし、着物が傷つかないようにきれいな洗濯バサミを持っていくようにしてくださいね。
袴はいつから予約するのが良い?
卒業式の袴の予約ピークは9月~10月頃となるため、遅くても10月くらいまでには予約しておくのがおすすめです。
卒業式の直前になってしまうと、着物や袴の種類が少なくなってきてしまうため好きなものを選べない可能性があるので注意しましょう。
まとめ
今回は、卒業式で袴を着るときのタブーやマナーについて解説しました。
- 卒業式で先生が袴を着る場合は、派手な着物・袴の着用、華美なメイクや髪飾りはタブー
- 卒業式の袴には、二尺袖着物(小振袖)や振袖、訪問着、小紋など好きな着物を合わせてよい
- 振袖のみを着用して卒業式に出席するのもOK
- 卒業式では、スーツなど袴以外のフォーマルな服を着用してもよい
卒業式での袴の着こなしに厳密なルールや決まりはありませんが、卒業式の場の雰囲気や自分の立場を理解した装いをするように心がけましょう。
これから卒業式で袴を着る予定のある方は、ぜひ今回の記事を参考にして素敵な卒業式を立派な姿でむかえてください。