袴は、卒業式などのイベントだけでなく、剣道や弓道、薙刀などの武道でも着用するため、着る機会がある方も多いかと思います。
しかし、卒業式で初めて袴を着る方やこれから武道を始める方の中には「袴のたたみ方がわからない」「練習後に簡単にきれいに畳める方法が知りたい」などと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、基本的な袴のたたみ方から武道の種類別のたたみ方まで詳しくご紹介します。
▼この記事に書いてること
着物や帯、紐のたたみ方やコンパクトに畳む方法、袴のたたみ方に男女の違いはあるのかなどについても解説します。
袴のたたみ方とは?【動画】
袴のたたみ方は、以下の3ステップのみで完了するためとても簡単です。
- ひだを整える
- 袴を三等分の大きさにたたむ
- 紐を処理する
しかし、最後の”紐の処理”に関してはたたみ方が少し複雑なため、ぜひ以下の動画も参考にしながらきちんとした袴のたたみ方をマスターしてみてください。
▼ひだの整え方や複雑な紐の処理の方法までわかりやすく解説されています。
ひだを整えるときは、内側から順番に整えていくと袴にシワが寄りにくくおすすめです。
たたみ方は男性と女性で違いはあるの?
昔は男袴は『出世畳み』、女袴は『石畳み』と袴の紐部分のたたみ方に違いがあったようですが、現在では男袴も女袴もどちらも出世畳みで畳むのが一般的になっています。
先程の『袴のたたみ方とは?【動画】』の動画内でご紹介していた紐のたたみ方も出世畳みとなっています。
簡単かつコンパクトにするには?
袴は、布地に極力シワがつかないように3等分のサイズに畳むのが一般的で、一番コンパクトなたたみ方となります。
弓道や剣道などで使用する道着の場合は、上衣や帯、足袋などの必要なものすべてを袴と一緒に大きな風呂敷にまとめるとコンパクトになり持ち運びも便利です。
道着をまとめるときの風呂敷は、二四巾(一辺が約90cm)のものを選ぶのがよいでしょう。
袴のたたみ方【パーツ別】
袴を着るときには必ず着物や帯なども必要となるため、保管の際には袴だけでなく着付けに必要なものすべてを畳まなくてはなりません。
そこでここでは、袴を着る際に必要な着物や帯のたたみ方などについてご紹介します。
袴を畳む際に一番複雑で難しいポイントとなる紐の処理方法についても詳しくご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
袴の着物部分のたたみ方はどうする?
袴にはどんな着物でも合わせることができますが、今回はその中でもとくに袴に合わせることの多い二尺袖着物のたたみ方をご紹介します。
以下は、二尺袖着物のたたみ方の手順です。
- 衿の後ろ側にスナップボタンがある場合は外す
- 衿元が自分の左側、裾が右側にくるようにして置く
- 下前(自分から見て手前側)を脇線でたたむ
- 下前を衽線上で外側に折り返す
- 上前(自分から見て奥側)の襟先と裾を持って、4で折り返した部分に重ねる
- 上前の脇線を下前の脇線に重ねて、袖も重ねる
- 左右の袖をまとめて袖付け線上で身頃側に折り返す
- 身頃を二つ折りにする
上記のたたみ方の手順に合わせて、以下の動画も参考にしながら袴に合わせる着物を畳んでみてください。
▼二尺袖着物のたたみ方が詳しく解説されています。
着物の縫い目はすべて直線であるため、縫い目線上できちんと畳めば誰でもきれいに畳むことができます。
紐はどうすれば良い?
袴の紐のたたみ方は、昔は男袴と女袴で違いがあったようですが現在では男女ともに出世畳みにするのが一般的です。
そのため、ここでは男女ともに活用できる出世畳みの方法をご紹介します。
以下の動画では、袴の紐のたたみ方のみが詳しく解説されているので「紐がなかなか上手く畳めない」という方はぜひ参考にしてみてください。
▼袴の紐のたたみ方のみが詳しく紹介されています。
左右の紐を重ねる際は、”着物と同じように左が前に来る”と覚えておきましょう。
帯のたたみ方とは?
袴に合わせる袴下帯(半幅帯)は帯の端から端まですべてが同じ幅になっているため、帯を半分に折るのを3回繰り返すだけで畳むことができます。
このように袴下帯のたたみ方はとても簡単ですが、小さく畳むとシワが入ってしまうため3回以上折り返すのは控えたほうがよいでしょう。
袴のたたみ方【種類別】
袴は卒業式などのイベントだけでなく、剣道や弓道、薙刀などの道着としても着用されます。
そこでここでは、それぞれの武道の種類別に袴のたたみ方をご紹介します。
それぞれの袴の違いなども解説するので、これから武道を始めるという方はぜひ参考にしてください。
①剣道
剣道着には基本的に男女の差はなく、男女ともに上衣に合わせて白や紺の馬乗り袴を着用するのが一般的です。
そこでここでは、男女ともに活用できる馬乗り袴のたたみ方をご紹介します
▼剣道で使用する馬乗り袴のたたみ方がわかりやすく紹介されています。
②弓道
弓道では、女性の場合はスカート型になっている行灯袴とズボン型になっている馬乗り袴のどちらも着用することはできますが、男女ともに黒か紺の馬乗り袴を着用するのが一般的です。
しかし、男性用の袴には剣道着と同じように腰板がついていますが、女性用の袴には基本的に腰板はついていません。
そこでここでは、腰板のない女性用の弓道袴のたたみ方をご紹介します。
▼袴を畳むのが初めての方でもわかりやすい内容となっています。
③薙刀
薙刀で使用する袴は、剣道で使用する袴と丈の長さや紐の長さが少し違いますが、基本的には同じ形となっています。
そのため、薙刀の袴のたたみ方としては『袴のたたみ方|剣道』でご紹介した方法を参考にしてみてください。
まとめ
今回は、袴のたたみ方についてご紹介しました。
- 袴のたたみ方は、ひだを整えて三等分の大きさに畳み、紐の処理をする3つの手順で完了する
- 昔は男袴と女袴でたたみ方に違いがあったが、現在は男女ともに出世畳みで畳むのが一般的となっている
- 剣道や弓道、薙刀で使用する袴の形には多少の違いがあるが、たたみ方はすべてほとんど同じ
袴をきれいに畳んでおくことは、次回に着用する際の見栄えの良さに繋がります。
袴は着物よりも少ない手順で比較的簡単に畳むことができるため、ぜひ今回の記事を参考に袴のたたみ方をマスターしてみてください。