「アルコール類は古くても価値がある」とイメージを持つ人もいますが、状態次第で買取できないお酒もあります。
そのため「お酒の買取はなんでもOKか」「ウイスキーの飲みかけはメルカリで売れるのか」などは、知っておかなければトラブルの原因になるかもしれません。
そこで買取できないお酒の状態やお店による差・転売の注意点を次のようにまとめて解説します。
▼この記事に書いていること
賞味期限切れのビールや飲みかけのお酒は売れるかどうかや、査定価格が低くなる例も紹介するので、相場を知って納得の買取につなげましょう。
買取できないお酒はある?
引用元:pixabay
買取できないお酒は、次のように賞味期限が切れたり古くて状態が悪くなったりしたものだと考えましょう。
お酒の種類によって賞味期限の有無や古くなって価値が上がるかどうかも異なるので、手元にある酒類の銘柄や状態をよく確認してくださいね。
①賞味期限切れのビール・日本酒
賞味期限があるビールのようなお酒は、日付を過ぎると買取できないことがあります。
ほかにも風味が損なわれやすいお酒は、古くなると引き取ってもらえないケースが多いので注意しましょう。
▼古くなると買取できないお酒・できるお酒
特徴・理由 | お酒の具体例 | |
---|---|---|
古くなると 買取できない |
・風味が落ちやすい ・発酵が進む ・賞味期限の設定がある |
・ビール ・サワー系 ・日本酒(1年程度) ・生酒(半年程度) |
古くても 買取できる |
・劣化しにくい蒸留酒 ・熟成して価値が上がる ・ボトルに価値がある |
・ウイスキー ・ブランデー ・焼酎 ・ワイン |
一般的に酒類は含まれているアルコールの殺菌作用により腐敗の心配が少なく、賞味・消費期限の表示を省略できます。(参考):国民生活センター – 清酒に賞味期限が表示されていない
しかし劣化しやすいものには期限や製造日が記載され、買取の可・不可にも影響を及ぼします。
なかでも日本酒は風味や味わいの変化が大きいため、製造から1年以上経過すると買取不可になる店が多いと知っておきましょう。
②開封済のお酒
開封済みのお酒は原則として売れません。
いくら品質が安定しているアルコール類であっても、密閉されていなければ酸化が進み風味が落ちるからです。
さらに不純物が混ざると、混入したもの自体が腐る可能性もあります。
開封後のお酒は人体に悪影響を与える恐れがあるので、買取してもらえないと考えましょう。
ただし中のお酒ではなくビンや付属品に価値がある場合、開封済みでも売れる可能性があります。
プレミアの付いた人気銘柄のウイスキーやバカラボトルのブランデーなどは、コレクター人気が高いので買取ってもらえるかもしれませんよ。
③液面低下を起こしているお酒
未開栓なのに中身が減っている「液面低下」した状態のお酒は、売れない可能性が高いです。
▼液面低下が起こる原因・状態
原因 | ・キャップの隙間から揮発する ・コルクがひび割れ揮発する ・液漏れする |
---|---|
お酒の状態 | ・風味が損なわれている ・アルコール度数が高くなっている |
良い環境で保管しても液面が低下することはありますが、大きく減っている場合はコルクや栓に破損があるなど、状態が悪いと考えられます。
低下度合いにもよりますが、何割も減った状態のお酒は買取を断られるかもしれないので注意してください。
④腐敗・変色しているお酒
お酒の腐敗の疑いがあったり変色が激しかったりすると、買取不可となるお店が多いです。
未開栓のお酒が腐っているかを見極めるのは難しいですが、激しく変色しているものはかなり劣化が進んでいると考えられます。
品質が変化し風味が損なわれている恐れがあり、買取してもらえない可能性が高いでしょう。
また浮遊物が浮いているお酒も腐敗の疑いがあり、売れない可能性が高いです。
ワインに代表される「澱(オリ)」はお酒の成分が固まって沈殿するものなので、飲んでも問題ありません。よほど澱が溜まっている場合でなければ、買取してもらえるでしょう。
⑤ボトルやコルクに破損のあるお酒
ボトルやコルクに破損があるお酒は、中身の異常が確認できなくても買取できないと考えましょう。
いくら見た目に変化がなくても、お酒が揮発して味わいが変わっていたり酸化して風味が損なわれていたりする可能性が高いからです。
さらに万一不純物が混入していると、品質が変化している恐れもあるので、破損が見られる場合は事前に買取業者に相談してから持ち込むといいでしょう。
⑥名前の刻印が入ったお酒
ボトルやラベルに名前・メッセージ・記念日のような刻印が入ったお酒は、買取対象外となる可能性があります。
誕生日や父の日・結婚式などのお祝いごとで、名前やメッセージが印字されたお酒をプレゼントされたことがある人は多いのではないでしょうか。
刻印の中でも特に個人名入りのものは買取不可となるケースが多いですが、社名であれば比較的査定可能なお店が多いです。
価値の高い銘柄の場合は買取業者に相談してみるといいでしょう。
⑦汚れやラベルの破損がひどいお酒
ボトルの汚れがあまりにひどかったり、ラベルが大きく破損しているお酒は買取できない場合があります。
特にラベルの破れ・汚れによって銘柄が特定できない場合、買取は難しいと考えましょう。
お酒の保管場所や方法によってラベルの状態も変わるので、少しでも良い環境で保存してください。
お酒の種類に関わらず、直射日光の当たらない温度変化の少ない場所で、紙や袋に包んで保存するといいですよ。
常温保管のお酒は買取できない?
引用元:pixabay
常温保管したお酒が買取できないとは限りませんが、種類によっては不可となったり価値が下がったりすることがあります。
▼常温保存しやすい・しにくいお酒の例
常温保存しやすい | ・ウイスキー ・ブランデー ・ウォッカ ・焼酎 |
---|---|
常温保存しにくい | ・ワイン ・シャンパン ・日本酒 |
ワインは特にデリケートで年間の温度差が大きい日本での常温保存には向かないので、ワインセラーで温度管理していなかったものは買取不可となる可能性があります。
いっぽうで「常温保存」できることを買取の条件としているお店もあるようです。
買取できるもの:未開封のもので、賞味期限があるものの場合3ヶ月以上、常温保存のお酒のみ買取しております。引用元:X – @shizuokatoro
お酒の種類・買取店によって方針が異なることが多いので、事前の確認がおすすめです。
買取価格の低いお酒の種類
元が安価なものや市場に多く出回っているお酒は、買取価格が低くなります。
▼買取価格が低いお酒の例
元が安い | ・ビール ・発泡酒 ・缶チューハイ ・大衆的な焼酎 (鏡月、宝焼酎、いいちこ、ジンロなど) ・ワンカップ ・テーブルワイン (チリ、オーストラリア、アルゼンチン産など) |
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流通が多い | ・サントリーウイスキー碧 ・霧島(黒、白、赤など) ・カミュ XO ・レミーマルタン XO |
人気の高いお酒は高く売れそうに感じますが、流通が多いので希少価値が低くなります。
期待したほどの査定額にならないケースが多いようですよ。
お酒買取でなんでもOKなお店があるって本当?
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「お酒の買取はなんでもOK」とうたい、ほかでは断られやすい次のような状態のお酒でも査定可能な、間口の広いお店も存在します。
▼なんでもOKなお店で買取可能なお酒の例
- 外箱や付属品が足りない
- 液面が低下している
- 変色がある
- ラベルが剥がれている
- 常温保存したワイン
- キャップが破損している
液面低下や変色は程度によって買取可能となるケースがあります。
また外箱がなかったりラベルが大きく破損していたりしても、銘柄が特定できればOKとなるお店もあるのでよく確認して買取に出しましょう。
飲みかけのお酒でも買取してくれる?
飲みかけのお酒でも買取可能とアナウンスされているお店はありますが、基本的にボトルを目当てにしていると考えましょう。
飲みかけ・開封済みでは衛生面や品質を保証できないので、原則としてお酒そのものが転売されることはありません。
飲みかけでも買取してくれるのはボトルや付属品に価値がある場合です。
たとえ開封しただけ・ほとんど飲んでいないなどで残量が多くても、査定額には関係しないと考えてください。
ウイスキーの飲みかけはメルカリで販売してもいい?
引用元:Pexels
ウイスキーの飲みかけがメルカリで出品されていることがありますが、本当は望ましくありません。
メルカリではウイスキーに限らず開封済み食品の出品を禁止しているからです。攻略ガイドにも次のように記載されていますよ。
開封済みの食品や消費(賞味)期限が1週間以内に切れる食品は出品を禁止しています。出品する商品が、禁止出品物に該当していないか、必ず確認しましょう。引用元:メルカリ スマホでかんたん フリマアプリ – ビン類(メルカリ出品攻略ガイド)
アルコール類は腐敗しにくいとはいえ、開封後のお酒の品質がどのように変化しているかはわかりませんし、何かが混入している可能性も否定できません。
メルカリでは飲みかけのお酒を売るのはもちろん、買わないように注意してください。
まとめ
買取できないお酒の特徴や、なんでも引き取ってくれるお店があるのかについて解説してきました。
- 賞味期限切れ・開封済みは買取不可
- 空ボトルや付属品に価値がある場合も
- 液面低下や変色は劣化の目印
- 常温保存で買取可能なお酒もある
- 元が安い・流通が多いと買取額が低い
- 飲みかけのお酒は中身には価値がない
- メルカリで飲みかけのお酒販売はNG
たとえ希少価値が高くても、開封・未開封や中身の状態によって買取できないお酒があります。
液面の低下や変色があるもの・汚れやラベルの破損がひどいものも買取不可となることが多いですが、お店によって異なるのですぐに諦めるのはもったいないかもしれません。
「なんでも買取OK」とアピールする業者なら、開封済でもボトルに価値のあるお酒なら良い査定額がつく可能性があります。
買取条件のほか査定方法や専門性の高さなど店舗ごとに異なる特徴がありますよ。おすすめの業者の比較記事を参考にして自分にあうお店を探してくださいね。
▼参考にしたページ一覧
(参考):国民生活センター – 清酒に賞味期限が表示されていない