振袖は未婚女性の第一礼装とされる着物で、成人式や結婚式で着られる方も多いのではないでしょうか。
しかし最近は着物が身近にないことも多いため、いざ行事に向けて振袖を着るとなったときには疑問や不安がふくらんでしまいますよね。
そこで今回は振袖の着付けに関するさまざまな不安点を解消していただけるよう、着付けで必要なものから値段相場、美容院に持ち込む場合の注意点までご紹介します。
▼この記事に書いてること
振袖着付けの所要時間やブーツをあわせるときの着付け方法、着付けを自分でする方法なども解説していきます。
振袖の着付方とは?順番&やり方
振袖の着付方の順番は以下のとおりです。
- 肌着を着る・足袋を履く
- タオルで補正する
- 長襦袢に衿芯を通す
- 長襦袢を着せ付ける
- 振袖を羽織る
- 背中心をあわせる
- 裾合わせをする
- おはしょりをつくる
- 衿をコーリンベルトで固定する
- 伊達締め(マジックベルト)で固定する
- 袋帯を結ぶ
上記は、大まかな着付けの流れになります。
そのため「振袖の着付け方法をもっと細かく知りたい!」という方は、以下の動画で紹介されている着付けの手順やポイントを参考にしてみてください。
▼振袖の着せ付け方を初心者の方でもわかりやすいように解説してくれています。
「成人式で娘の着付けをしたい」という方は、ぜひ動画を参考に練習してみてくださいね。
またここからは、着付けをする際の疑問点についてもご紹介していきます。
着付けを始める前に必ず確認しておきましょう。
振袖の着付けにかかる時間はどのくらい?
振袖の着付けには、40分~1時間程度の時間がかかります。
またヘアセットやメイクも着付けと一緒におこなう場合は、全部合わせて1時間30分~2時間程度の時間を要するでしょう。
成人式の振袖の着付けは2人がかりでおこなうこともあり、その場合は着付けにかかる時間が少し短くなります。
振袖着付けの際の服装ってどうすれば良い?
振袖を着る際は、和装用の下着である肌襦袢と裾よけ、もしくはこの2つが繋がってワンピースタイプになった着物スリップを着用します。
また基本的にはブラジャーは外し、和装ブラをつけるのがおすすめです。
着物は胸元の凹凸が少ないほうがきれいに着ることができ、着崩れもしにくくなります。
そのため、胸を強調してしまうようなタイプのブラジャーは外すのが一般的です。
ワイヤーやボリューム感のあるパッドが入っている場合は、着付けが完成した後に帯の圧迫感で苦しくなってしまう場合があるので着用は控えましょう。
振袖の着付をする際の注意点とは?
振袖の着付けをする際は、以下の2点に注意しましょう。
- ヘアセットの段階で着物用の肌着か前開きの服を着ておく
- 着付けに入る前に足袋を履いておく
振袖を着用するときは、ヘアセットを先におこなってから着付けをするのが一般的です。
そのため、服の着脱によって髪型が崩れてしまわないよう、ヘアセットに入る前から前開きの服か着物用の肌着を着ておく必要があります。
また着物を着てから足袋を履くのは大変であるため、着付けの前に履いておくようにしましょう。
振袖の着付けに必要なものリスト【写真】
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振袖の着付けの際に必要なものを以下にまとめました。
種類 | 必要なもの |
---|---|
見栄えに関わるもの | ・振袖 ・袋帯 ・長襦袢 ・半衿(長襦袢に付けておく) ・重ね衿(伊達衿) ・帯揚げ ・帯締め ・足袋 ・草履 ・バッグ ・髪飾り |
着付け小物 | ・肌襦袢 ・裾よけ ・腰紐(5~6本程度) ・衿芯 ・伊達締め(マジックベルト) ・帯枕 ・コーリンベルト ・前板、後板 ・三重紐 ・タオル(5枚程度) |
振袖の着付け当日はバタバタしてしまうことも多いため、事前にすべて揃っているかをしっかり確認しておきましょう。
美容院など持ち込みの場合
振袖を美容院などに持ち込んで着付けをおこなう場合も、『振袖の着付けに必要なものリスト【写真】』でご紹介したものの準備が必要です。
また持ち込みの場合は、以下の2点を確認しておきましょう。
- 振袖や帯などを事前に美容院に送っておくことはできるか
- 新品の小物は開封しておく
美容院によっては、事前に振袖や帯などを送っておいてもよいという場合があります。
着付けの当日はバタバタしてしまうこともあるため、”事前持ち込みOK”の美容院である場合は預けておいた方がよいでしょう。
美容院によって、何日前から持ち込んでよいかのルールは違います。また「事前持ち込みNG」の美容院もあるため、事前に確認が必要です。
また、持ち込み着付けの際に新品の小物を未開封のまま持ち込んでしまうと、その場で開封したり値札を切ったりと美容院に迷惑をかけてしまいます。
そのため、新品の小物は事前に開封し中身の確認もおこなっておきましょう。
振付の着付けの値段&料金の相場は?
美容院での振袖の着付け料金は、着付けのみで5000円~2万円程度、ヘアセットとメイクも一緒におこなう場合で1万円~3万円程度が相場です。
出張着付けサービスの場合は1万5000円~2万円程度が相場となり、それに加えて早朝料金や交通費などの費用が別途で発生する場合もあります。
成人式で振袖をレンタル・購入した際に合同着付け会場の紹介があった場合は、指定の着付け会場に行けば多くの場合無料で着付けサービスを受けることができます。
振袖着付のこんな時どうする?
最近は着物を日常的に着ることも少なくなり、また振袖となるとより着る機会も少ないため「振袖を着たいけど、こんな時はどうするのだろう?」と疑問点や不安点が思い浮かんでくる方も多いでしょう。
そこでここでは、振袖の着付けで知っておきたい以下の3つの疑問についてお答えしていきます。
振袖を着用する大事な機会に、着付けに関するところで後悔することのないようぜひチェックしておいてくださいね。
着付けが下手だった場合は?
もし着付けの最中に「苦しい」「痛い」などの違和感を感じた場合は、すぐに着付け師の方に伝えましょう。
着付けがある程度のところまで進んだ状態で「気になるところがある…」となると、もう一度最初からやり直さなければならない場合もあります。
そのため、着心地や見栄えに関して少しでも気になるところが出てきた場合は、その都度相談したほうがよいでしょう。
成人式の場合は少なくても4,5時間程度、結婚式の場合はほぼ1日中と長時間着物姿でいることになるため、着心地の違和感は我慢せず解消しておいてくださいね。
ブーツを合わせたい時の着付け方法とは?
草履を履く場合はくるぶしが少し隠れるくらいの丈感で着付けをしますが、ブーツの場合はそれよりも少し短めの丈で着付けをします。
そのため着付けをお願いする際は、ブーツを着用することを事前に伝えて丈を調整してもらいましょう。
また裾から脚が見えてしまわないよう、ブーツの長さはミディアム丈のものを選ぶのがおすすめです。
成人式の際には振袖にブーツをあわせても大丈夫ですが、結婚式などの格式の高い場所では草履をあわせるようにしましょう。
振袖ドレスの着付けはどうすれば良い?
振袖ドレスとは、振袖を切ったり縫ったりすることなく着付けの技術のみでドレスのように着る、振袖の着こなし方のことです。
また振袖ドレスを着る場合は、専門の着付け技術を持った着付け師の方に依頼する必要があります。
振袖ドレスの着付けを依頼する場合は、以下の7点を準備しましょう。
- 振袖
- 袋帯
- 重ね衿
- 帯揚げ
- 帯締め
- ヒールのある靴
- ドレス用のインナー
振袖ドレスは10分程度で着付けることができるため、結婚式のお色直しで着用するのにも人気があるそうです。
一点注意点として、振袖ドレスの着付け技術をもった着付け師の数はまだ少ないため、結婚式などで着用したい場合は振袖ドレス対応の式場やホテルを探すか、振袖ドレスの出張着付けサービスに依頼する必要があります。
振袖の着付に関するよくある質問
着物は着方が難しいだけでなく洋服と違ってさまざまなルールがあるため、振袖の着付けに関してまだまだわからないところが多いという方もいるのではないでしょうか。
そこでここからは、振袖の着付けに関するよくある質問にお答えしていきたいと思います。
これから振袖を着る予定の方は、しっかりチェックして疑問点を解消しておきましょう。
振袖の着付けを自分ですることは可能?
振袖を着る際、美容院やホテルなどでプロの着付け師に着付けをしてもらうのが一般的かと思いますが、振袖の気付けは自分ですることも可能です。
「成人式や結婚式の際に振袖の着付けを自分でしてみたい」という方は、ぜひ以下の動画を参考に着付けをしてみてください。
▼振袖を自分で着る方法がわかりやすく解説されています。
このように振袖の着付けができたら、次は以下の動画を参考に袋帯も自分で結んでみましょう。
▼振袖にあわせる袋帯を自分で結ぶ方法が解説されています。
帯結びまでできたら、振袖の着付けは完成です。
着付けとヘアセットはどちらが先?
着物を着用するときは、ヘアセットを先にしてから着付けをするのが一般的です。
そのため、着付け前の準備で髪型が崩れてしまわないように、ヘアセットをおこなうときは着物用の肌着を着ておくか前開きの服にしておきましょう。
振袖の着付けを母親には頼める?
成人式などで振袖を着る際、母親が着付けの技術をもっているのであれば頼むことはもちろん可能です。
口コミの中には、着付け初心者の状態から娘様の成人式のために練習をして式当日に着付けをした方もいました。
本日、妹が成人式でした。母が着付けました。去年から着付け教室で、今日の為に振袖の着付けをずっと練習していました(ボディで)引用元:Yahoo!知恵袋-本日、妹が成人式でした。母が着付けました。去年から着付け教室で…
しかし振袖は普通の着物よりも着付けが難しく、”振袖の着付け技術”が必要になります。
そのため母親に振袖の着付けをお願いする場合は、振袖の着付け技術を持っているかを事前に確認しておきましょう。
振袖の着付けのみの対応もしてくれる?
振袖を着用する際、着付けのみをプロに依頼しヘアセットやメイクは自分でするということも可能です。
着付けのみをプロに依頼する場合の料金の相場は、5000円~2万円程度となります。
着付けの費用を抑えたい方やヘアアレンジ・メイクが得意という方は、着付けのみを依頼するとよいでしょう。
まとめ
今回は、振袖の着付け方法や料金の相場についてご紹介し、よくある質問に対しても解説しました。
- 振袖の着付けのみで40分~1時間程度、ヘアセット・メイク込みで1時間30分~2時間程度の時間がかかる
- 美容院での振袖の着付け料金は、着付けのみで5000円~2万円程度、ヘアセットとメイクも一緒におこなう場合で1万円~3万円程度が相場
- 出張着付けサービスの場合は1万5000円~2万円程度が相場となり、それに加えて早朝料金や交通費などの費用が別途で発生する場合もある
振袖は、未婚女性の第一礼装として成人式や結婚式などで着用される着物です。
振袖の着付けは洋服と違ってとても複雑ですが、成人式や結婚式などの大事な場面で美しく堂々と着ることができるよう、ぜひ今回の記事で振袖の着付けに関する疑問点を解消していただければと思います。