5円玉の中には、額面より遥かに価値のあるレアな年号が存在します。
なんとなく知っていても「5円玉のレアな物を一覧で知りたい」「5円玉で価値が高いのは昭和24年って本当?」と疑問を感じている方もいるはず。
この記事では長い歴史がある5円玉の中から、高額査定が見込める特別な5円玉をわかりやすくまとめ各年号のおおよその相場をご紹介いたします。
▼この記事でわかること
その他にも、レアな5円玉をきれいにする方法や、5円玉に込められた意味についても解説します。
ぜひこの記事を参考にして、レアな5円玉を見つけてくださいね。
【レアな5円玉一覧】価値のある年号
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まずは5円玉の中でも特に価値のあるレアな年号の物を、一覧で確認してみましょう。
▼5円玉で価値のある年号一覧
年号 | 種類 | 発行枚数 | 理由 |
---|---|---|---|
明治3~4年 | 旧5円金貨 (大型版) |
– | ・現存枚数が少ない ・発行枚数が少ない ・地金価値がある |
明治10~30年 | 旧5円金貨 (縮小版) |
– | ・現存枚数が少ない ・発行枚数が少ない ・地金価値がある |
昭和5年 | 新5円金貨 | – | ・現存枚数が少ない (海外流出) ・地金価値がある |
平成22~25年 | 黄銅貨 (ゴシック体) |
51万~65万枚 | ・発行枚数が少ない ・一般流通してない (流通不発行) |
平成17年 | 財務省放出 金貨 |
総数 3.2万枚以上 |
・希少性が高い ・地金価値がある ・状態が良い |
(参考1)造幣局-年銘別貨幣製造枚数
5円玉の歴史は非常に古く、他の通貨と比較しても時代に合わせて様式が度々変わったことが知られています。
その種類には、「旧5円金貨」「新5円金貨」「無孔5円黄銅貨」「楷書体の有孔5円黄銅貨」「ゴシック体の有孔5円黄銅貨」があります。
古銭の5円玉を持っていない人も諦めるのは早いですよ。平成22~25年発行の5円玉は非常に発行枚数が少なく、プレミアの対象になっています。
もし上記の表にある年号の5円玉を見つけたら、信頼できる鑑定機関に依頼したり、オークションで相場をチェックしてみましょう。
5円玉で価値のある年号|何年がレア?
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5円玉で価値があるのが何年なのかが気になる方のために、「5円玉で特に価値のある年号」の詳細を詳しく解説していきます。
▼年号別の5円玉の価値
5円玉は現存枚数や発行枚数が少ないものが希少性を高め、レアリティがアップする傾向です。
各年号の5円玉の価値について以下で詳しく解説していきますので、実際はどの年号に価値があるのかを確認しましょう。
明治3年~4年(旧5円玉)
明治3年~4年に発行された旧5円金貨は、90%が金でできているため、地金価値も高いことで知られています。
状態が良ければ相場価格が50万円を超えるほか、竜のうろこが明瞭な「明瞭うろこ」の場合はさらに価値が上がります。
劣化した旧5円玉金貨は約500円程度で出品されているので、価格を左右するのは「発行された年号」よりも「状態」が大きく影響するとわかります。
明治30年~昭和5年(新5円玉)
5円玉で価値のある年号では、発行枚数が特に少ない昭和5年の物が高いレアリティが期待できます。
旧5円玉と比較して金の含有量が少ないため、旧5円玉よりは相場はやや低め。それにも関わらず、どの年号も5万円以上の値が期待できます。
過去には未使用の昭和5年発行の新5円玉で400~600万円という、高額で取引された実績も確認できました。
昭和5年の5円玉を見つけたら、信用できるお店や業者に鑑定を依頼しましょう。
昭和23〜24年(穴なし5円黄銅貨)
5円玉の価値で昭和23~24年発行の穴なし黄銅貨の相場は、120~800円が目安です。
穴なし5円玉は2年間しか発行されていませんが、流通枚数が多かったので希少性は期待できません。
レアリティが低いため変色した状態の物は50~100円程度、光沢があるものなら500円前後、未使用品なら約800円で売買されています。
昭和24〜33年(フデ5・楷書体の5円黄銅貨)
昭和24~33年の間に発行された5円玉は文字が楷書体で書かれており、フデ5とも呼ばれます。
中でも昭和27年の物は5500万枚と発行枚数が少ないため、状態が良いものにはプレミアがついて1万円を超える価格が付くことがあります。(参考2)造幣局-年銘別貨幣製造枚数
他にも発行枚数が少ない昭和32年のものも、未使用品には約4000円の値が付くことがあります。
それ以外の年号では約200~1200円で取引されることが相場とされています。
昭和26年(アルミフデ5)
昭和26年に発行されてた5円玉の中には「アルミフデ5」と呼ばれるものがあり、未使用品であれば約100万円の価値があります。
アルミフデ5は試作品の5円玉で、黄銅貨ではなくアルミニウムでできていますからひと目でわかりますよ。
昭和26年発行のアルミフデ5は現存する数が世界に数枚しかないため、見つけた場合は必ず専門のお店に鑑定してもらうようにしましょう。
平成22〜25年(ゴシック体の5円黄銅貨)
5円玉で価値のある年号の物には、文字がゴシック体へと変わった平成発行分の中にもあります。
平成22~25年は5円玉の一般流通が制限された年です。記念コインやミントセットでしか流通しなかったため、希少性の高さに注目です。
平成23年では約46万枚しか発行されなかったため、未使用品なら約1000~1500円程度の価格で取引されています。
他の年号でも約500円の値が付いており、額面より格段に高い価格で取引されていることは間違いありません。
平成17年(財務省放出金貨)
平成17年に財務省(法務省)が財政赤字補填のために保有していた金貨32,683枚を、公開オークションとインターネットオークションで売却しました。
その中に含まれていた新旧5円金貨は保存状態は非常に良く、専用ケースに入っているためプレミアが期待できます。
買取り価格の相場は約20万円。明治4年などの発行枚数が少ない年号は30万円を優に超える価格が付きます。
以上のような背景や価格から偽物の可能性も捨てきれないため、手放す際や購入の際は信頼できる業者に依頼することがお勧めです。
5円玉の価値|昭和25年の使用済みは?
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数ある5円玉の中で、楷書体で刻まれた昭和25年発行のものは発行枚数が少ないため、未使用品ならば400~3000円の値で取引されています。
オークションサイトでは状態の良い物に入札が集中しており、美品には3000円以上の値がつくことがよくあります。
なお、使用済みの場合は5~300円程度と価値が下がるため、まとめ売りや他の年号のものとミックスして出品されることが多くみられます。
5円玉の価値|昭和64年は?
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5円玉に限らず、昭和64年発行の硬貨は「価値が高いのでは?」と期待されます。
昭和64年はわずか7日間しかありませんでしたが、実は約6733万枚の5円玉が発行されました。そのため希少性はあまり高くありません。(参考3)造幣局-年銘別貨幣製造枚数
昭和64年の5円玉の価値は額面同等が普通で、ミントセットから取り出したものに限り約200円程度の価格がつけられます。
5円玉の価値|平成元年は?
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平成元年に発行された5円玉の価値は、額面同等で取引されるのが一般的です。
平成への改元後初めての5円玉ですが発行枚数が約9.6億枚と非常に多く、特筆してレアリティを上げる要素がありません。
ただし未使用品やミントセット出し硬貨、複数枚数のセット販売では額面より大幅に高い金額で売買されることもあります。
5円玉で価値のある年号|令和元年は?
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令和元年の5円玉の価値もほぼ額面同等で取引されるのが一般的ですが、光沢が残る美品なら50円程度で取引されています。
筆者の調査では、ミントセット出しの完全未使用品が1000円程度で売買されていました。他にも保存状態が良いミント出しの5円玉には約500円の値がついていますよ。
発行枚数も多いため、一般流通しているものはプレミアを狙うのが難しいと考えましょう。
5円玉のエラーコイン|価値のある種類は?
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5円玉のエラーコインには、主に以下のような種類があります。
他にも「穴なし」「ヘゲエラー(めくれ)」「刻印ズレ」などがあります。
いずれも希少性が高くプレミアが期待できますが、中でもコレクターに人気なのは一見してわかりやすい「穴ズレ」や「穴なし」です。
技術の進歩でエラーコインが発生しずらくなったため、近年発行されたエラーコインの方が希少性が高くなります。
このような「あれ?」と違和感を感じる5円玉がお財布に混ざっていないか、まずはしっかりチェックしてみましょう。
穴ズレ
5円玉のエラーコインの中でもっとも知られているのが、穴が硬貨の中心からズレているものです。
穴が中心がズレているほど希少性が高く、価値も高くなります。
過去には22万円という驚きの価格で落札されたこともあります。
穴ズレ5円玉の値段を決めるのは、硬貨の状態・ズレ幅・その年号の発行枚数です。
発行枚数が多くて使用感がある穴ズレ5円玉の買取額は約750円が中央値で、額面より格段に高い値段が付きます。
傾打エラー
傾打エラーとは、コインのデザインが傾いて打刻されている状態のものです。
本来の硬貨は裏表で角度が一致しますが、傾打エラーは片方が回転して(傾いて)見え、この角度の差が大きいほど希少性が高くなります。
傾打エラーの価値は傾いた角度によって異なり、160度以上のズレだと10万円以上の値が付いています。
傾打エラーには様々な呼び名があり、他にも「角度エラー」と表記されることがあります。
参考額を調べる際は以上の単語も調べることで、精度が上がります。
陰打ち
5円玉の陰打ちとは、片面が正常なデザインに対し、もう片面は同じ模様で鏡合わせのように反転して刻印されたものをいいます。
刻印をする際、一度プレスされた硬貨に別の硬貨が重なって再度プレスされることで発生するエラーコインです。
オークションや買取店を調査しましたが、残念ながら陰打ち5円玉の査定実績を発見することが出来ませんでした。
陰打ちは材質が柔らかい10円玉で起こりやすく、5円玉で発生する確率はかなり低め。
5円玉ではあまり流通していないため希少性が非常に高く、もし発見した場合は高額査定が期待されます。
5円玉の絵柄の意味
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5円玉の絵柄の意味は「平和に暮らせますように」「産業が盛んになって国が栄えますように」という願いが込められています。(参考4)もうひとつの学芸員室|くすりの博物館-五円玉と真珠に息づく匁の歴史
5円玉は日本の基盤となっている産業がデザインされており、表には「稲穂」「水」「歯車」が刻まれています。
また、穴があいているのは「偽造防止」や「他の硬貨と区別しやすい」という意味もあります。
発行開始当時は穴を開けることで材料費の節約になったそう。現代では節約した材料費より穴を開ける方がコストが高くなりました。
▼各モチーフが示す産業
- 稲穂…農業
- 木の芽…林業
- 水…水産業
- 歯車…興業
5円玉は、戦後の衰退した時代に大砲の薬きょうを潰して製造が開始されました。
このような背景と刻まれたデザインから、他の硬貨と比べ物にならないほどの重い意味が込められています。
5円玉をきれいにする方法&磨き方
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使用感がある5円玉をきれいにする方法には、重曹やハイター、酢を使う方法があります。
ただし汚れた硬貨の汚れを落としたり磨くことは、レアな硬貨の価値を落とすことに繋がるためお勧めできません。
特にハイターは強い酸性で金属に大きなダメージを与えます。自分のコレクション用コインでも、素材によっては変色の原因になるので注意しましょう。
▼5円玉を重曹できれいにする方法
- 歯ブラシに大さじ2杯の重曹と大さじ1杯の水を混ぜてつける
- やさしく歯ブラシで磨く
- 流水でよくすすぎ、水分をふきとる
▼5円玉をハイターできれいにする方法
- ハイターと水を1:1の割合で混ぜる
- 5~10分間浸して放置する
- やさしく歯ブラシで磨く
- 流水でよくすすぎ、水分をふきとる
▼5円玉を酢できれいにする方法
- 酢に5~10分浸して放置する
- 歯ブラシで優しく磨く(酷い場合はクレンザーも併用)
- 流水でよくすすぎ、水分をふきとる
5円玉を酢で磨く際も、つけすぎは変色の原因になります。
加減が難しいので、売却を予定している5円玉は自分で磨かずにプロの判断に任せた方が良いでしょう。
まとめ
ここまで5円玉でレアなもの一覧と価値ある年号について解説してきました。
▼まとめ
- 5円玉で最も高い査定がつきやすいのは明治4年の旧5円玉
- 5円玉のレアリティは発行枚数によって大きく左右される
- 発行枚数が制限された年は近年であっても価値が上がる
- レアなエラーコインには偽物も多いので注意
- 汚れを磨くと価値が下がることがある
今では誰もが持っている5円玉硬貨ですが、発行当時は金を使って製造されるほど価値が高いものでした。
その頃の5円玉の価値が今でも高いのはもちろん、キャッシュレス推進の影響で近年発行されたものも額面より価値が高くなりつつあります。
お財布の中の5円玉をよく観察して、宝探し気分でドキドキするのも良いですね。
▼参考にしたページ
(参考1-3)造幣局-年銘別貨幣製造枚数
(参考4)もうひとつの学芸員室|くすりの博物館-五円玉と真珠に息づく匁の歴史